京都府 -Kyoutohu-




 私たち東京都民には信じがたい話ですが、日本にはかつて暗黒時代がありました。その時代、日本の中心は私たちの地、東京ではなく、なんと、この京都だったというのです。もちろん、そんな時代は遥か遠く昔のことですが、京都府民たちは今でも京都が日本の中心であると信じており、私たち東京都民を田舎者と馬鹿にしています。都民はそんな京都府民を心底憐れんでいますが、彼らは頑なに自分たちの優位性を信じています。


   【府民性】

 過去の栄華に囚われた京都府民たちは、他県民や東京都民を馬鹿にしています。彼らにとって、東京都民は東国の外れに住む下衆な野蛮人であり、都民はおよそ文明らしい文明など持っていないと思い込んでいます。彼らは京都府民だけが日本で唯一文明を持つ人種であると信じているのです。

 そんな彼らは自分たちのちっぽけなプライドを守るために今も必死になっています。自分たちが日本の中心として最も輝いていた時代を憧憬し、その時代の文化や風俗を守り通すことで、己の矜持を支えているのです。京都府には今でも高層ビルなどがありませんが、それは彼らが古き良き時代に固執し、新たな時代の流れを懸命に拒んでいるからなのです。


(上:京都府高官)
 とはいえ、京都府の高官など一握りの人間は、現在の京都府が時代の流れに置いていかれていることを理解しています。しかし、彼らはその現状を知りながらも決して府民にそのことを伝えず、他県はいまだ野蛮な状態のままであり、京都府の文明がもっとも進んでいるのだと吹聴しているのです。その方が京都府民をコントロールするのに都合が良いからです。

 そのため京都府は、東京都や他県からの文明の流入を厳しく規制しています。例えば、ある東京の企業が京都でビジネスを始めようと思い立ち、電飾を用いた派手な屋外広告物を掲示しました。京都府民が電飾に驚き戸惑ったことは言うまでもありません。京都には電気が通っておらず、府民は電気という概念すら知らなかったのです。企業の責任者は京都府から責任を追求され、「邪法を用い府民を混乱させた罪」で即日極刑となりました。この見せしめ効果は大きく、今では京都府でのビジネスを考える東京の企業はありません。


  【観光上の注意】

 京都府は観光事業による外貨獲得に非常に熱心です。そのため、京都への観光は他県への観光に比べ比較的容易と言えます。

 ですが京都府は、日本に文明があるのは京都だけで、他は全て野蛮人と考えています。これは京都府上層部による情報操作の結果であり、府民は誰一人このことを疑っていません。そのため、京都府を観光する際には、私たち東京都民も京都府上層部の意向に沿った形で観光を行わなければならないのです。

 まず、私たちは京都府国境の検問所にて、文明品を全て預けなければなりません。ペースメーカーなど体内埋め込み式のものがある場合は、摘出不可のため入国できません。そして、動物の皮を剥いで作った、粗末な衣服を着せられます。これで、私たちが何ら文明を持たない野蛮人であることを示すのです。


(上:京都観光における都民の服装)

 京都府に文明品を持ち込むことは重大な犯罪ですので、絶対にしないで下さい。みなさんも記憶に新しいと思いますが、以前、修学旅行中の高校生が携帯電話を京都にこっそり持ち込んだところ検非違使(京都府が管理する秘密警察組織)に捕縛され、東京都の度重なる抗議があったにも関わらず、この少年は鞭打ち30回の刑に処されました。しかし、このケースでは命が助かっただけマシと言えるでしょう。通常では極刑にされます。決して京都府に文明品を持ち込まないで下さい。

 京都府に入ると、府民たちが粗末な装いの私たちを見て、「あらま、野蛮人どすえ」などといって嘲笑し、ツバなどを吐きかけてきます。このとき、決して府民に逆らってはいけません。検非違使に拘束されてしまいます。また、「やめてください」など、言葉を発することも禁止されています。言葉は文明の証だからです。観光客は府民から何をされても、「うーううー」などと唸りつつ逃げ惑うしかないのです。さらに、二足歩行をしていると、「野蛮人のくせに生意気どすえ」と蹴られるので、必ず四足歩行して下さい。

 なお京都府は、観光客は寛容に受け入れますが、府民が他県へ観光することは絶対に許しません。京都の他にも文明があることがバレてしまうからです。しかし、府民たちも京都こそ唯一の文明の地であり、他県は不毛の大地と信じているため、特に京都から出ようとは考えていないのです。


  【イベント】

 京都における最大のイベントが、五山の送り火、通称「大文字焼き」です。これは山中にたいまつを持った人員を配置し、たいまつの炎で「大」の字を描く行事です。大文字焼きは京都府による示威行為であり、周辺の都道府県に対し、「オレたちはお前たち野蛮人と違い、文字という文化を持っているのだ」と顕示することが目的と言われています。

 自分たちだけが文字文化を持っていると頑なに信じこみ、こんな大掛かりな手法でアピールする京都府民たちは、もちろん都民にとっては物笑いの種です。ある時、数名の東京都民が、そんな京都府民たちをからかうため、たいまつを持って山へと登りました。そして、大文字焼きに合わせてたいまつに着火し、「大」の字に点を加え、「犬文字焼き」を作ってしまったのです。

 このことに京都府上層部は大慌てとなりました。「文字文化は京都にしかない」と公言していたため、このいたずらを他県民の仕業と発表することはできず、上層部はやむなく数人の京都府民を無実の罪で起訴し、極刑に処したのです。このとき、いたずらを行った東京都民はなんとか東京都に逃げ戻りましたが、今でも彼らの首には京都府から高額の賞金がかけられています。


(上:東京都民による犬文字焼き)

 もう一つ、京都府では有名なイベントがあります。それは清水の舞台からの投身大会で、週に一度行われており、観光客も気軽に見物することができます。京都府民たちは、着物など高価な買い物をするときは、ただ相応の代価を払うだけでなく、必ずこの清水の舞台から飛び降りなければなりません。品物を購入するときに、お金だけ払って済まそうとすると、「関東の野蛮人が考えそうな下衆な行為」と蔑まれてしまいます。彼らには私たち都民の資本主義的な思考は理解できず、このように物品購入に際して、高所から飛び降りるなど宗教的行為を伴うことが必然と考えられているのです。京都府民が高価な物品を買う際には、「清水の舞台から飛び降りる覚悟」が必ず必要とされるのです。

 なお、清水の舞台は13メートルもありますが、投身による死亡者は案外少なく、死亡率は15%弱です。東京都は、「非合理的な風習により、あたら人命を無駄に散らしている。直ちに中止すべきだ」と何度も京都府上層部に要請していますが、京都府は「死亡率はわずか15%にも満たず、歴史的行事を止める理由にはならない」として取り合おうとしません。ちなみに、清水の舞台はもともとは舞楽を奉納するための舞台でしたが、現在では投身以外の用途には使われておりません。


(上:身投げの順番待ちをする京都府民)


  【金閣寺】

 京都府民が、その存在を頑なに訴え続けているのが、金閣寺という寺院です。府民の主張によれば、金閣寺は全面が黄金に彩られた、湖に映える美しい寺だという話です。しかし、現在の京都府にはそのような寺院はどこにもありません。また、東京都に比べて、遥かに文化レベルの劣る京都に、そのような黄金造りの建築物など建てられるはずもなく、この寺院は京都府民の妄想、もしくは京都府上層部による捏造の寺院であると考えられています。

 今現在、金閣寺が現存しないことについて、京都府民は「ミシマユキオという東京都民が金閣寺に火を放って全焼させた」と言い張っていますが、東京都の調べではそのような事実は確認できず、京都府民の反東京感情が生んだ妄想であるとの疑いが濃厚です。そもそも、「黄金でできた建築物」という概念自体が、マルコ=ポーロによる「黄金の国ジパング」からの連想ではないかと考えられています。


(上:京都府民が存在を主張する金閣寺。普通の寺院写真を金色で
着色しただけの、見るからに明らかな合成写真です。その証拠に湖面
に映りこんだ金閣寺は金色に輝いておりません)



  【芸者遊び】

 京都といえば、すぐに連想されるのが芸者遊びです。しかし、勘違いしている都民も多いのですが、京都府民にとって野蛮人である都民が芸者遊びなどできるはずがありません。芸者遊びは、あくまで京都府民のためのものであり、観光客には芸者遊びなど不可能なのです。それどころか、下手をすると芸者遊びの道具に使われてしまう危険もあるのです。

 芸者とは、顔を真っ白に塗った異様な様相の集団で、歌や踊り、楽器の演奏などを生業とする職業芸能集団です。


(上:一般的な芸者)

 彼らのパフォーマンスを観劇することが、いわゆる「芸者遊び」ですが、この観客はもちろん京都府民たちです。都民が観客として芸者遊びに参加することはできません。それどころか、芸者はしばしば観光に来た都民を捕らえ、舞台上で晒し者にします。彼らは東京都民を「資本主義の豚」と呼び、観客の面前で蹴る殴るの暴行を加え、公開処刑を行うのです。


(上:一般的な芸者遊び)

 京都府民たちは、芸者による都民への暴行を見て大喜びします。この極めてサディスティックで悪趣味な遊びが「芸者遊び」の実態なのです。都民のみなさんは、このような場所へは決して近づかないようにしましょう。

 なお、これとは別に温泉で暴力を振るう芸者もいるとのことです。


  【京都府のこれから】

 過去の栄光にすがり、現実から目をそむけ、他県民を馬鹿にして殻に閉じこもる京都府民に未来はありません。しかし、時代に逆行する京都府に対抗するかのように、京都府は急激な国際化に晒されているのです。いや、国際化というより、宇宙化というべきかもしれません。

 実は、京都府には1970年後半から平和的宇宙人がしばしば来訪し、京都府上層部とコンタクトを取ろうとしているのです。平和的宇宙人とのコンタクトは、お互いの文化交流のためにも好ましいことであり、東京都も宇宙人の誘致に必死になっていますが、なぜか宇宙人は東京都には目も向けず、京都府とのコンタクトにこだわっているのが現状です。


(上:友好的なエイリアン)

 ですが、自文明の絶対的優越性を盲信し、他文明との接触を徹底的に拒み続ける京都府は、宇宙人のコンタクトにも頑として耳を貸そうとしません。そのため、宇宙人は自分たちがいかに平和的な種族であるかアピールしようと、丸腰で京都の地に下りてきました。しかし、あろうことか、京都府上層部は検非違使に命じて穴を掘らせ、友好的な宇宙人を全て生き埋めにしてしまったのです。

 このショッキングな事件は、当時たまたま京都を観光していた東大生により目撃され、世界中のマスコミにリークされました。その結果、京都府は全世界から糾弾を受けることになったのです。全世界から批判に晒された京都府は、一層自らの内に閉じこもりましたが、これはまったく嘆かわしいことです。京都府は今の外交政策を直ちに改め、開かれた京都府を再建すべきという世論が高まっています。

 なお、その後、東大生はこの事件を元に一本のゲームを製作しました。それが、「平安京エイリアン」です。


【観光難易度 ★☆☆☆☆




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