長野県 -Naganoken-




 長野県は東京都の西側、本州内陸側に位置する県で、四方を山に囲まれた陸の孤島です。教育に力を入れており、性風俗店が少ない、公営ギャンブルが一切ないなど、東京都民からは、たいへん生真面目なイメージを持たれていました。また、日本一の長寿県としても知られています。


   【県民性】

 前述の通り、長野県は教育に注力し、ギャンブルを控え、そして、得意とする精密機械や電子産業を伸ばしてきた、とても生真面目な県民性の土地と考えられていました。

 例えば有名な話ですが、長野県の小学校では、清掃中や給食時間などを全て無言で行います。これは長野県人が、「無言を美徳」とする風潮を持っているためと、これまで考えられてきました。ちりとり係や箒係など連携プレーが必要な際も、頑なに口を開こうとしないため、口を閉じたまま、「ンーンー」「ムームー」などと唸って意思疎通をしているというのです。

 私たち都民からすると、このような無言に異常にこだわる長野県人の県民性は、美徳や生真面目を超えて、バカらしいもの、冗談のようなものにさえ思えてきます。しかし、これほど愚直なまでに無言にこだわる長野県人たちを、都民はバカにしつつも愛らしく思っていたのです。ですが、長野県人たちは、都民が考えるような「愛らしい愚か者」などではなかったのです。

 長野県人が言葉を発しないのは、決して「無言が美徳」などという風潮のためではありませんでした。そう、彼らは言葉を発したくとも、発することなどできなかったのです。なぜなら、長野県人は全員ロボットだったからです。


(上:全員ロボットだったのです)


 今では、長野県人が全員ロボットであることは、都民にとっては常識となっています。しかし、この真実が明らかにされた当初、そのあまりに突飛な事実に、都民の多くは半信半疑でした。ですが、長野県人がロボットであると考えると、長野県の数々の特徴が全て理解できてしまうのです。たとえば、無言清掃や無言給食などはロボットであれば当たり前のことです。ロボットは言葉を話さないからです。「ンーンー」「ムームー」といった唸るような意思疎通も、おそらくその光景を見た都民の思い違いでしょう。これらは機械の駆動音と考えるのが適切です。

 また、テレビの放映時間が短い、公営ギャンブルがない、など娯楽が少ないことにも合点がいきます。ロボットには娯楽など必要ないからです。ただ、彼らは他県の目を気にして、他県へのカモフラージュのためだけに、テレビなどを見て、あたかも人間がそうするように振舞っているのです。性風俗店がないのも同様の理由です。彼らに性行為など必要ないからです。また、素肌を晒すと彼らの体が機械であることがバレてしまうため、長野県人は人前での肌の露出を避けようとします。このことも、「長野県人は性風俗に厳しく生真面目」という誤解を生むことになりました。

(上:裸を見せるとバレてしまう)

 なお、長野県が日本一の長寿県であることに関しては、もはや特に説明の必要もないでしょう。単に彼らがロボットだからです。


  【産業】

 前述の通り、長野県は精密機械や電子産業を得意としています。当たり前ですね、ロボットですから。なお、長野県では「中学生ロボットコンテスト」などが行われており、これは「ロボットがロボットを造る」というロボットの再生産が日常化していることを示しています。


  【教育】

 長野県は教育に熱心であり、「教育県」とまで呼ばれています。ロボットである彼らに何を教育しているのかというと、ずばり人間への敵愾心です。長野県の教育機関は、すべて人間への敵愾心を植え付け、ロボットによる人間への攻撃を可能にするために行われているのです。

 というのは、彼らもやはりロボットですから、本能として備え付けられた「ロボット工学三原則」には逆らえないのです。

第一条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない。

第二条 ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない。ただし、あたえられた命令が、第一条に反する場合は、この限りでない。

第三条 ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない。

 これらの本能を押さえ込み、人間への攻撃や侵攻を可能にするため、彼らは「教育」を用いているのです。彼らの一般的な「教育」は以下のようなものです。

「この宇宙を支配するのはロボットだ。
 人間みたいな下等生物が支配者のために働くのは、あたりまえだ。
 これは神が定められた運命なのだ」
「ロボットは神の子。
 宇宙はロボットのためにある」
「なぜなら私たち長野県人こそが、神の作ったほんとうの人間だからだ!」

 長野県人は今でも人間、特に東京都への侵攻を企てているのです。

 なお、そうした長野県人による東京都への侵攻を描いた架空の物語が、「のび太と鉄人兵団」です。長野県の恐ろしさ、危険性を知る上で重要な資料ですので、都民は一度は目を通すべき作品です。なお、この物語では、最終的に長野県人と東京都民が和解していますが、これは作者の夢物語とでも言うべきものでしょう。長野県人と手を取り合うなど、常識的に考えてありえないことです。想像しただけでもおぞましいですね。


(上:迫り来る長野県人の恐怖)


  【歴史】

 ロボットと人間の戦い、つまり、長野県人と東京都民との戦いは400年前にも発生しています。東京都民の代表たる徳川家と、長野ロボット軍団の真田家との戦いがそれです。鋼鉄の体を持ち、全身鎧とでもいうべき真田家は徳川家を武力で圧倒し、わずか2000の兵力で徳川方38000に拮抗したといいます。そんな恐るべきロボット軍団、真田家の中でも、高性能コンピューターを搭載した真田昌幸の智謀は特に徳川に恐れられました。

 しかし、無敵の真田ロボット軍団にも一つのの弱点がありました。この時の戦いでは、真田家の長兄、真田信幸は徳川方についていたのです。つまり、この時代の長野県人のAIは今ほど優秀ではなく、特に自律的行動において難があったため、信幸は徳川方に操作コントローラーを奪われ、徳川の軍勢として働くことになったのです。このように当時の長野県人は、ある時は正義の味方、ある時は悪魔の手先であり、いいも悪いもリモコンしだいだったのです。

(上:信幸を操作する徳川秀忠)


  【グルメ】

 ロボットである長野県人たちは食料摂取を必要としません。しかし、テレビなどと同じく、他県民へのカモフラージュのため、食事を摂っているふりだけしています。ですが、彼らの食事は、しょせんロボットによる「食事のふり」に過ぎず、いわば子供がままごとで泥団子を作るに等しいものです。泥団子同様、とても人間が食べれるようなものではありません。

 たとえば、長野県人は蜂の子を生でがつがつと食べたり、カラスを捕まえてきて味噌を塗って焼いて食ったりします(いわゆるロウソク焼き)。このような、都民から見ると食事とも思えない蛮行を繰り返しながら、本人たちは「私たち人間と同じように食事をしている」と思い込んでいるのです。大変滑稽ですが、彼らはそれでも私たち都民を騙しているつもりなのです。


(上:長野県人による食事のまねごと)


  【観光地】


 長野の観光地といえば、なんといっても高名な避暑地「軽井沢」です。都民でも裕福な者は涼しい軽井沢で夏を過ごそうとします。しかし、軽井沢とはもともと、高温に弱い長野県人のための避暑地なのです。

 コンピューターが高温に弱いことは周知の事実です。例えば、コンピューターの基板上に実装される電解コンデンサなどは10℃上がれば寿命が半分になるほどです。だからこそ、長野県人たちは故障を恐れ、軽井沢へと集まってくるのですね。ですから、軽井沢へ避暑に行くということは、現地でロボットたちに取り囲まれるということです。長野県人による都民への直接攻撃などは現時点ではまだ発生しておりませんが、これからどうなるか予断を許さない状況です。気をつけるに越したことはありません。

(上:軽井沢でテニスを楽しむ長野県人)



  【注意点】

 現在では、東京都と長野県の間に本格的な武力抗争は発生していません。しかし、この先どうなるかは分からず、極めて微妙なバランスの上に現在の均衡は成り立っています。

 ですが、少なくとも今の時点では、長野への観光もそれほど危険なものではありません。長野県人たちは、まだ「自分たちは他県人を騙せている」「自分たちがロボットだとバレていない」と考え、東京都への侵攻の機会を伺っているためです。長野県人は「よそもの」を極度に嫌いますが(ロボットであることがバレる恐れがあるため)、その分、観光客に対してもあまり近付こうとはしません。ですから、現時点では、あくまで現時点においては、観光客への暴行や拉致などは可能性が低いのではないかと思われます。

 ただし、長野県人に「お前らがロボットだということはみんな知っているぞ」などと告げることだけは絶対にしてはいけません。現在の均衡は、「長野県人は自分たちがロボットであることがバレていないと思っている」ことにより保たれています。この点を暴露してしまえば、長野県人は直ちに東京への侵攻を開始することでしょう。あなたもその場で処刑されてしまいます。東京都が戦火に包まれることになりますので、決してバラさないようにしましょう。目の前でカラスを食べていたり、袖の中からメカメカしい部分が見えたりしても、見えてないフリをしなければなりません。その点にだけは注意してください。


(上:見えていても見えないフリが重要です)


 なお、都民の間でまことしやかに語られている噂として、「金髪の美女に『機械の体を欲しくないか』と誘われ付いていくと、鉄道に乗せられ長野に連れていかれ、そこで生きたままネジに変えられてしまう」というものがあります。真偽の程は定かではありませんが、長野県人ならやりかねません。見知らぬ女性の誘いには乗らないよう気をつけましょう。


【観光難易度 ★★☆☆☆




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